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皆既日食 「雲間の撮影」 こんなことが好結果に! 令和6年4月16日
1 太陽の導入には小型の鏡筒
雲の多い時に望遠鏡に太陽を導入するのは大変です。
特に太陽フィルターをつけていると、よほど薄雲でなければカメラのライブビュー画面に姿を現してくれません。
短い晴れ間に、スピ―ディーに望遠鏡を太陽に向ける必要があります。
準備段階では、口径が大きく焦点距離が長い鏡筒を使うことに決めていました。
しかし、個人旅行のため、移動に不便な重たくかさばる荷物は持っていけないことから、焦点距離400mmと短い小型のBORG50FLを使用することにしました。
これが良かったですね。広い画角で太陽を見つけやすくなりました。
おかげでスムースに太陽を導入、また、撮影でも、大きく広がるコロナ撮影にもぴったしの画角でした。トリミングをしていない画像です。
(撮影状況)
4月8日 13:41〜 (現地)
BORG50FL 400mm F8
ニコンD500 ISO200 多段階露光 6フレームコンポジット
2 ピント合せは地上の景色で
曇り空でのピント合せは難しいですね。苦労します。
私は、皆既日食撮影に、アストロソーラフィルターを使用しています。
便利なことに、フィルターを装着してもピント位置が変わりません。
このため、地上の鉄塔などできるだけ遠くのものでピント合わせをしています。
また、これは優れモノで、撮影、眼視の両方に使用できます。
太陽の黒点もくっきりでした。
(撮影状況)
BORG50FL 400mm F8
ニコンD500 ISO200 1/1600
3 何といっても赤道儀による正確な追尾が大切です
赤道儀で正確な追尾ができれば、太陽が雲に隠れても、晴れ間に顔を出したときはいつでも撮影可能です。
私は、これまでCD1簡易赤道儀を愛用してきました。信頼感があります。
三脚をできるだけ、水平になるようにセット。
ポーラメーターを使用し極軸を北に向けます。この時偏角があることを忘れずに!
一見アバウトなセッティングですが、最初から終わりまで太陽が望遠鏡の視野からはずれることはありませんでした。
長い撮影の間、数回微調整しましたが、ほぼ中央に位置してくれました。
おかげさまで、無事、最初から最後まで太陽の変化を撮影することができました。
曇り空の皆既日食、ダイヤモンドリングなど雲にいくらか影響されるときもありましたが、晴れ間を利用し一応の成果を収めることができました。