1 撮影に大口径はいらない
日本国内では、シーイングの問題があって大口径の望遠鏡を使用してもその能力を十分発揮できないようです。
8cm程度のフローライトなどの高性能レンズを使用した望遠鏡鏡筒で十分な結果が得られます。
(天体写真マニュアル(地人書房)中川昇氏「太陽・月・惑星の撮影」より)
とかく口径の大きなもの目が行きがちですが、基本に忠実に撮影することで、アマチュアの標準的な口径の望遠鏡で
きれいな写真が撮れることを示してくれたものと思います。
2 月の撮影には直焦点撮影をおすすめします
これから天体撮影を始めようという方には、まず、小口径の屈折望遠鏡による直焦点撮影をお薦めします。
Tリング1つ買うだけで撮影にトライできます。
● まず直焦点撮影で基本を学びましょう
月の撮影では、レンズの明るさ(F値)やカメラの感度(ISO)また月齢に応じた月の明るさの3点で、
シャッタースピードを決めることになります。
また、この他にもシャッターブレの防止、ピント合わせなど注意すべき点があります。
これは、星雲・星団などの撮影につながるものです。
● 思わぬ結果が得られます
入門者でも、ピント合わせやシャッタースピードの選択がうまくいけば、思わぬ好結果が得られるものです。
3 入門用アクロマート望遠鏡での撮影
入門用といえども信用あるメーカーからしっかりした造りの望遠鏡を選ぶことが大切です。
一般的には、口径6〜8cmで焦点距離が800〜1000mm適度の望遠鏡が入門用としてメーカーから発売されて
います。
これらの鏡筒は、高倍率を必要とする惑星の観望用に合わせた焦点距離となっています。
長い焦点距離は、明るい月の撮影に向いています。
また、焦点距離が長いほど色収差の影響が出にくいといわれています。
こうした望遠鏡をお持ちの方は、是非、月の撮影にチャレンジしてはいかがでしょうか。
ED鏡筒には及びませんが結構きれいな写真が撮れるものです。
撮影 SE102(アクロマート)
21年8月2日 21:42 キスデジタルN ISO400 露出1/250秒
ケンコーSE102 F5 2×テレプラス
アクロマート鏡筒で撮影しました。
SE102は、焦点距離500mmのアクロマート鏡筒です。
SEシリーズは、入門者を始め広くアマチュアが使用できるケンコーの代表的な屈折望遠鏡です。
もう少しはっきりと色収差が現れると思っていましたが、意外にも月の外周にほんのわずかに収差がみられます。
よく気をつけてみないと見逃すかもしれません。