一般的に星団や星雲の撮影には焦点距離が短くF値が明るい望遠鏡が
使われています
入門用には、口径が60mmから80mmで焦点距離が300mmから500mm
程度の屈折望遠鏡、できればEDレンズを使用したものが使いやすくいい結果がでるようです。
大口径のものから小口径まで様々な望遠鏡を、それぞれのユーザーが撮影目的や技量に合わせて使用しています。
撮影にチャレンジされる方は、どのような望遠鏡を買えばいいのか迷われるかもしれません。
値段も数百万から数万円のものまで千差万別です。
入門用には、最初からあまりよくばらず、小口径でも性能の良い望遠鏡を選んで撮影を楽しんではいかがでしょうか。
★ 星雲・星団撮影の入門用望遠鏡は
入門用にはメンテナンスに手間がかからず取り扱いが簡単な屈折望遠鏡が断然使いやすいと思います。
● 口径について
EDレンズを使用している望遠鏡は高価なものです。
最近各メーカーから口径60mm〜80mmで比較的価格を抑えたED鏡筒が発売されています。
ED鏡筒から始めようという方にはお薦めです。
口径が大きいほど解像度が高くなりますが、あまり大きすぎると持ち運ぶだけでも大変です。
● 焦点距離について
低倍率で撮影できる散光星雲や散開星団は、月や惑星の撮影と違い短焦点の望遠鏡が便利です。
焦点距離が300mmから500mm程度の望遠鏡でM42オリオン座大星雲、M31アンドロメダ星雲をはじめ多くの
散光星雲や様々な散開星団を撮影できます。
銀塩カメラの時代は、馬頭星雲の撮影には、焦点距離が300mmの鏡筒では少し迫力に欠けましたが、APS−Cサイズ
のデジタルカメラを使うようになり、焦点距離300mmの鏡筒で500mm相当の撮影ができるようになりました。
焦点距離が300mm程度の鏡筒なら赤道儀まかせのノータッチガイドも可能です。
● 明るいレンズ(F値が小さい)ほどより暗いものまで撮影できます
F値が小さいほど短い露出時間で撮影できます。
例えば、口径80mmで焦点距離が500mmの鏡筒の場合、F値は6.2となります。また、焦点距離が400mmの鏡筒
の場合はF5となります。
同じ露出時間ならF値が小さいものがより暗いものまで撮影できます。
● アクロマート鏡筒で入門も
色収差の補正がEDレンズには及びませんがアクロマートレンズを使用した望遠鏡でも撮影は可能です。
今、アクロマート鏡筒をお持ちの方は、とりあえず撮影にチャレンジしてはどうでしょうか。
輝星を撮影すると強い色収差が現れますが、入門書に掲載されているような代表的な散開星団や散光星雲の撮影では
それなりにきれいな写真が撮れます。
それからED鏡筒の購入を検討してもけっして遅くはありません。
★ 私は、BORG鏡筒を使ってきました
今、BORG60EDと76ED鏡筒を撮影に使用しています。
特に、BORG60EDは、銀塩撮影の時代からいろいろな星団・星雲の撮影に使用してきました。
他のメーカーのED鏡筒を使用したことがないので比較することはできませんが、今まで好結果を得ました。
撮影にあたっては、フリップミラー、カメラ回転装置、レデューサーなどを取り付けます。
そのためには、鏡筒のドロチューブにこれらを取り付ける余裕(バックフォーカス)が必要になります。
その点、BORG鏡筒は、様々なパーツが販売されており、このパーツを取り替えることで必要なシステムに組み替える
ことができます。
少しお金がかかりますが便利です。それも楽しみの一つです。
一般的にボーグ鏡筒は雨でも楽しめると言われる所以です。
次回は、BORG鏡筒を使った撮影についてもう少しお話したいと思いま
す。