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百武彗星(7) 彗星掃索家 藤川繁久さん(プロフィール) 平成27年7月23日
これまで、百武さんをよく知る方から百武さんのお人柄や熱心な彗星掃索活動について語っていただきました。
何が百武さんを魅了していたのか、どうしてそこまで掃索活動に打ち込めるのか。
今回は、現役の彗星掃索家として多くの彗星を発見したことで著名な藤川繁久氏に彗星掃索活動にかける思い について語っていただきます。
1 彗星掃索家藤川繁久さんとは
日本を代表するコメットハンターとして有名な方です。
1968年に多胡・本田・山本彗星を発見以来、8個の彗星を独立発見されています。
2002年には、マイナス等級になるのではと期待が膨らんだ工藤・藤川彗星を発見。
周期彗星72P/デニング・藤川彗星の再発見など9個の彗星を発見されています。
そして記憶に新しいのが、2012年の新星発見ですね。
2012年8月10日の午前4時頃、いっかくじゅう座に9等台の新星を発見されました。
当時の様子は天文専門誌で特集されました。
2 私の知る藤川繁久さん
私が、藤川さんとお話するようになったのは、四国天文協会に入会してからです。
といっても、藤川さんは大先輩で名誉会員をされています。
一会員の私とは格が違いますが、一言で例えると「それを感じさせない人」が藤川さんです。
藤川さんの人となりを強く感じたのが、5年前天文協会の例会で藤川さんの「ぼくらの星空・天体掃索小屋」 と名付けられた観測所を訪れた時でした。
「天体掃索」、夜空を掃くように探すということを念頭に努力を続けられ9個の彗星を発見されたそうです。
10年ほど前、眼視からCCDへの移行、慣れない機材で大変いろいろな方に助けられたということをお話されていま した。
その後の大変な努力が新星発見につながることとなります。
そして、会が終わり観測所を後にするときに、ふと感じるものがありました。
我々を迎えてくれた雰囲気、気取らない態度、お土産にとミカンまで用意していただきました。
「身近に感じる温かい人だな!」それが実感です。
藤川さんの手記で、「結果を求め、結論を求めると長続きしないので、残された人生を楽しみながら、 夢を見続けたい」と書かれているのを拝見したことがあります。
どんな偉業を成し遂げても、いつまでも夢を求めていきたい。
これが、百武さんの彗星への思いにも通じるのかもしれませんね。
次回、藤川さんから「彗星掃索にかける思い」について語っていただきます。
連載 星空に夢を求めて「百武彗星」
過去の連載記事は、こちらからご覧いただけます。
日々の日記 四季の高松
四季折々の身近なスケッチを日記風に記載しています