いて座の散光星雲M20・三裂星雲
1 M20三裂星雲はM8干潟星雲とともに夏を代表する星雲です
いて座の散光星雲M20は、大型で明るい散光星雲M8干潟星雲から1°少々北にあるため、簡単に探すことができます。
この星雲の中央に暗黒帯が走り、あたかも星雲が裂けているかのように見えることから三裂星雲と呼ばれています。
写真で撮ると、燃えるような赤い星雲とそれを取り巻く淡い青い星雲を写しだすことができます。
しかし、眼視では、同視野に見えるM8干潟星雲の華やかさとに比べ、淡い小さな光芒にしか見えません。
周りを取り巻く青い星雲をはっきりと表現するには、露出時間を長くし画像処理を工夫する必要がありますが、
燃えるような赤い星雲は、少しの露出時間でもその姿をはっきり写しだすことができます。
この画像は、改造デジタルカメラを使い2分ほどの露出で撮ったものです。
(撮影条件)
平成23年5月9日午前2時20分 場所 綾川町
BORG125SD ×1.0マルチフラットナー F6 LPS−P2フィルター
KissDN(改造) ISO800 露出120秒
SXD赤道儀 スマートガイダーによるオートガイド
フォトショップエレメンツで画像処理
2 天体写真にトライする季節がやってきました
夏は、小口径の望遠鏡や望遠レンズで撮影できる天体が多い楽しみな季節です。
200mm程度の望遠レンズを使えば、M8とM20を同一画面にして結構迫力ある姿を撮ることができます。
モータドライブ付きの赤道儀をお持ちの方で、一度、天体写真を撮ってみたいと思われる方は、是非トライして
みてはいかがでしょうか。
赤道儀の極軸をしっかりと北極星に合わせておけば、赤道儀まかせ(ノータッチガイド)で撮影可能です。
赤い星雲が良く写るように改造されたデジタルカメラでなくても、3分ぐらいの露出で淡く赤い星雲を写すことができます。
慣れないうちは、拡大すると完璧に星が点になっていないことがありますが、
その時、綺麗なM8やM20の姿に驚かれるのではないでしょうか。