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撮影にかかわるお話です/
第45回光害カットフィルター特集3 HC光害カットフィルタ

BORG鏡筒に改造デジタルカメラで撮影をするときは、HC光害カットフィルターを 愛用しています。

● このフイルターは、改造デジタルに相性がいいようです

独自の私見ですが、このフィルターによる撮影状況をお伝えします。

通常のデジタルカメラの撮影で使用したときは、光の3原色R(赤)G(緑)B(青)のうちR(赤)の量が大幅に減っている ように感じます。
これは、デジタルカメラに装着されている赤外カットフィルターのうえにHC光害カットフィルターを併用すると相乗効果 でRのカット域が広くなるのではと想像します。

ところが、赤外カットフイルターを除去した改造デジタルカメラの撮影では、特徴である少し赤っぽい色調を示し、一定の カラーバランスも保つ効果がみらます。

経験では、改造デジタルカメラとの相性はよく、去年の夏、球状星団をいくつか撮影しましたが、星団のそれぞれ特徴 ある微妙な色彩を表現することができました。

M4

M13

M55

(撮影状況)
BORG76ED ×0.85レデューサー(F5.6)
キスデジタルN(改造) HC光害カットフィルター ISO800
GP2赤道儀 GA−4補助ガイド フォトショップエレメンツで画像処理
平成21年8月17日  綾川町

● HC光害カットフィルターとは

販売店の解説(抜粋)では次のように記載されています。

光害の主要な波長領域帯を透過率1%未満までカットする一方、ガス星雲の輝線であるHβ及びOVを 含むバンドパス幅470nm〜515nmの範囲を95%以上透過するセミ・ナローバンド干渉フィルター です。
またHαを含む赤色〜赤外領域も95%以上透過しますので星野写真用としてもご利用頂けます。

眼視や写真撮影に利用できるフィルターと解説されており、31.7mmと48mmが販売されています。
撮影に汎用性のある48mmを購入しました。
1万円を切る価格が魅力的です。

このフィルターの透過率の情報は販売元からは公開されていませんが、「東京都23区内のベランダからお届けするお気楽 星空観測日記」ヒロシさんの天体観測のブログで詳 しく説明されています。

このグラフで見る限り従来型の光害カットフィルターに近い透過率を示しているように見えます。


(参考)  

デジタルカメラと赤外カットフイルター除去(改造)カメラでの撮影について 少し情報を追加します。

フィルターとの相性については、公に示されたデーターがないので私的な意見です。

● 通常のデジタルカメラ

人間が目で感じることができる「可視光」は、400nm〜700nmの範囲で、波長が短いほど青く、長いほど赤く なっています。

デジタルカメラは、余分な波長をカットし人間の目と同じ色調に調整するためカメラ内に赤外カットフィルターを装着し ています。
このフィルターは、600nm前後から透過率が落ち始め、700nmでほぼ0になっています。
そのため、赤い星雲のHα輝線656nmは20パーセントほどの透過率しかなく赤い星雲が写りにくくなって います。

さらに、520nm〜630nmの範囲をカットしていると考えられるHCフィルターを併用すると赤の少ない カラーバランスが示されるようです。
私は、EOS40DとキスデジタルNの2つのカメラを持っていますが、同じような結果が出ています。(AWB使用)

● 改造したデジタルカメラ

赤外カットフィルターを除去した改造デジカメは、改造により、赤い領域を透過しやすくしています。
合わせて、光害を除去するフィルターを使用しても、Hα輝線656nmなど90パーセント以上透過できることから 赤い星雲を良く写し出せることになるようです。
私のキスデジタルN(改造)と相性がよくきれいな写真が撮れています。


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