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 第76回 月を撮影しませんか 小口径鏡筒で撮影   


毎日表情を変える月を小口径望遠鏡で撮りましょう。
天体撮影の基本といえる直焦点撮影で綺麗な月の姿を捉えることができます。

1 小口径の望遠鏡で撮る月は!  

淡い星雲・星団の撮影には、分解能や集光力に優れた大口径の望遠鏡が望ましいといわれています。
しかし、明るい月の撮影では小口径の望遠鏡が大変活躍してくれます。

@ 信頼のおけるメーカーの真面目に造られた望遠鏡を選びましょう

屈折望遠鏡では、色収差やコマ収差などいろいろな収差が現れます。
良い望遠鏡は、できるだけ収差が少なくなるよう工夫がされています。 信頼のおける良い製品を選ぶことが大切です。

一部の有名メーカーでは、自社名で外国企業に生産を依頼しています。(OEM生産)
外国製品といっても中にはしっかりとしたものが販売されています。
ただ、入門用として、安い、高倍率などのうたい文句で程度の良くない製品を販売している場合があります。
注意が必要です。

A 様々な収差と月撮影 

撮影には、しっかりと造られたアクロマート鏡筒や色収差のないアポクロマート鏡筒を使いたいものです。
ただし、画像の周辺に現れるコマ収差などは、アクロマート鏡筒だけでなく高額なED鏡筒にも現れます。

天体撮影において、こうした収差は、補正レンズを使用することで改善されます。
さいわい、月撮影で焦点距離を長くするため使用するテレプラスやテレコンバーターレンズは、こうした収差を 改善する働きをもっています。


B アクロマート鏡筒のケンコーSE102で撮って見ました

この鏡筒は、ケンコー製といっても中国のメーカーで生産されているOEM製品です。
口径が100mm、焦点距離が500mmで星雲・星団の観望が主な役割の鏡筒といえます。
結構しっかりとした造りで、その性能を天文誌で紹介されたことがあります。
価格はオープンですが、24000円程度と手ごろな価格で販売されています。

撮影では、ケンコーのテレプラス(焦点距離を2倍に伸ばすレンズ)を使用しました。
EPS−Cサイズのカメラでは、1600mm程度の焦点距離となり、画面に広がる月を撮ることができます。

撮った画像を強拡大して色収差について検証したことがあります。
月の周辺一部に黄色い色収差が感じられました。
拡大しなければ、収差があることさえ分からない程度のものです。

私は、普段、BORG76ED鏡筒を月撮影に愛用していました。

しかし、月の撮影では、60mm〜100mm程度の小口径のアクロマート鏡筒でも綺麗な写真が 撮れると実感しています。

SE102で撮影した画像をトリミングせずに掲載しています。



2 今、NEWKDS63−800鏡筒を使っています

月は、光害の影響を受けやすい私の自宅からでも気軽に撮影することができます。
そのため屋上の塔屋にポルタ経緯台を置いています。

天気が良く月が煌々と輝いているときは、居間に置いてある天体望遠鏡にカメラを取り付け屋上に上がります。
今まで、いろいろな鏡筒で撮影に望みましたが、長くて重たい鏡筒は扱いが大変なことを実感しました。

月の撮影を始めた頃、学生時代に購入した五藤光学8cmアクロマート鏡筒を使用していました。
この鏡筒は、購入当時、非常に光学性能が良いとされていたものです。
しかし、焦点距離が1200mmと長く、重量は非常に重く持ち運ぶのが一仕事でした。

カメラのピント合わせも、鏡筒の下にもぐりこみ窮屈な姿勢を強いられました。

ところが、KDS63−800鏡筒は、非常に軽く扱いやすくできています。
星ナビ別冊望遠鏡カタログでは、この鏡筒は、メーカーが国内の自社工場で組み立てを行い、品質の管理を徹底し 製品ごとのバラツキを極力抑えていると紹介されています。

長く趣味を続けたいと考えています。
そのためには、セッティングから収納まで必要以上に体力を使わない工夫が大切だと思っています。
話し半分といわれますが、今は、この紹介記事を信じてこの鏡筒で月の撮影を暫らく続けてみようと思っています。




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